2017年5月23日火曜日

5/28(29)「ベルリン・フィル ヨーロッパ・コンサート2017 IN パフォス/グリゴーリ・ソコロフ ピアノ・リサイタル」放送

こんにちは。千葉です。
28日深夜24:00~(29日未明0:00~)からのNHK BS、プレミアムシアターのご案内です。

●ドキュメンタリー  ヨーロッパ・コンサートの舞台  世界遺産パフォス(キプロス)/ベルリン・フィル ヨーロッパ・コンサート2017 IN パフォス/グリゴーリ・ソコロフ ピアノ・リサイタル

前半は毎年恒例、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の創設記念日(5月1日)に欧州各地で開催しているヨーロッパコンサートの放送です。今年は指揮にマリス・ヤンソンスを迎え、キプロス島のパフォスで開催されました。



曲目も書いておきましょう、協奏曲のソリストは”クラリネット一家”と言いたくなるオッテンザマー家の次男にしてベルリン・フィルの首席奏者アンドレアスです。

ウェーバー:
  歌劇「オベロン」序曲
  クラリネット協奏曲第一番 ヘ短調 Op.73
ドヴォルザーク:交響曲第八番 ト長調 Op.88

そして後半に放送されるのは2015年にフランスのプロヴァンスで開催されたグリゴーリ・ソコロフのピアノ・リサイタル。バッハからドビュッシーまで、幅広い時代の作品で構成されたプログラムですね。


こちらは2014年のリサイタルから、曲は違うけれど今回放送されるリサイタルでもプログラムに入れられているシューベルトです。

そんなわけで、五月の最終週はコンサートですよ、というご案内でした。ではまた、ごきげんよう。


2017年5月22日月曜日

読みました:西澤保彦「さよならは明日の約束」

こんにちは。千葉です。
これまた読んだ本の話です。

●西澤保彦「さよならは明日の約束」


タック&タカチシリーズが一段落して、また水玉螢之丞さんが亡くなられてチョーモンインシリーズが再開される気配がなくなって(これは仕方がないと思う、さすがに…)、それでも多作な西澤保彦さんは次々新作を発表されていて、頭が下がるばかりです。
ひところ読書に時間を割けないために、その多作についていけていなかった私としてはゆるゆると追いつきたく思う所存であります。追いつけたそのころにはほら、タック&タカチシリーズの新作も出るかもしれないし(淡い期待)。

そう思って読んでみた本書は、西澤保彦らしくジジくさい男子と個性的な女子のコンビによるアームチェア・ディテクティブものです。ヒロインはアクティヴなキャラクターに設定されているから出不精だったりするわけではなく(笑)、この短編集で取り上げられる謎が過去に属するものだから、です。一冊の本を契機として見出される日常の謎に、西澤保彦ならではの対話を通じて迫っていくスタイルは、過去作を知らずとも充分に楽しめるものでしょう。二作目からお話の舞台となる喫茶店はどう考えても商いとして立ち行かない感じなのだけれど、マスターが語る過去はキィになっているし、彼が醸すひなびた感じがあればこその本作なので、そこはまあ、ということで(笑)。
詳しくは書きませんが、「男はつらいよ」シリーズや、サザンオールスターズの変遷について感じるのに近いものを感じて、「ああもうタック&タカチものは読めないかもなあ」と思ってしまったことは最後に書いておきます。

なお。もし初めて西澤保彦作品を読むという方にアドヴァイスするならば、珍名に早く慣れてしまえば何も難しいことはないよ、ということでしょうか。喫茶店のマスター梶本さんは割と普通の名字だけれど、他の登場人物は私にとっては馴染みのないものが多くてそこだけちょっと難儀しました(読み慣れていてもそうなんです、連作ではあるけれどシリーズとして構成されているわけではないので愛読者メリットみたいなものはありません)。気軽に是非読み始めて、名字に引っかかってもずんずん読み進めちゃえば楽しく読めることは保証しますよ。
そうそう、西澤保彦読者にはより面白い趣向が本作にはひとつ仕込まれています。最初期の作品をリサイクルして別の可能性を探られちゃうと、読み返したくなっちゃうじゃないですか「解体諸因」。

もっと西澤保彦作品が人気でないかなあ、映像化されないかなあって長年思っている私としては、近年のフジテレビによるドラマ化路線には期待せざるをえないし、もしくは「すべてがFになる」「六花の勇者」、「氷菓」や「ハルチカ」などミステリのアニメ化も増えている印象があるから夢を見ちゃうんですよねえ、「七回死んだ男」の映像化を。どこかやってくれませんか、あの偉大な一作を。ぜひ。

というリクエストを最後に瓶に入れてネットの海に流しておしまい。
ではまた、ごきげんよう。


2017年5月21日日曜日

5/21(22)「英国ロイヤル・バレエ『アナスタシア』/パリ・オペラ座バレエ『レイン』」放送

こんにちは。千葉です。
こちらも放送のご案内、21日 24:20~(22日 0:20~)からのNHK BSプレミアムシアターも、「クラシック音楽館」に引き続くかのようにバレエです。

●英国ロイヤル・バレエ『アナスタシア』/パリ・オペラ座バレエ『レイン』

前半は「ロイヤル・オペラハウス シネマシーズン」でつい先日上映されたばかりの「アナスタシア」です。トレイラーはこちら。


ロイヤル・オペラハウスのYouTube公式チャンネルではトレイラー以外にも多くの動画が公開されていますので、放送の前後にでも併せてお楽しみになるとよろしいかなと。
「ロシア革命に消えたロマノフ王朝の皇女アナスタシアは、実は生き延びていた」という伝説をもとに編まれた物語は、1991年からの科学的調査の結果事実としては否定されていますが、それでも数多くの映画や小説で、そしてこのバレエで親しまれていくことでしょう。
そうですね、ロシア革命合わせでエイゼンシュテインの映画も見るといいかもしれませんね、「十月」とか「戦艦ポチョムキン」とか(ゴリ押し)。

さて気を取り直して。後半はスティーヴ・ライヒの「18人の音楽家のための音楽」による、アンヌ・テレサ・ドゥ・ケースマイケル振付のバレエ「レイン」です。再放送ですね。



前半はチャイコフスキーとマルティヌーを、後半はスティーヴ・ライヒと音楽的にも楽しめる舞台ですので、クラシック音楽ファンにもオススメです。…深夜の放送でミニマルはいろいろと厳しいので、録画をオススメいたしますけれど(笑)。

ということでご案内はおしまい。ではまた、ごきげんよう。


5/21「NHKバレエの饗宴2017」放送

こんにちは。千葉です。
21日の21時から放送のEテレ「クラシック音楽館」はこちらです。

●NHKバレエの饗宴2017

この日はプレミアムシアターと併せてバレエの日、ということですね。

まずクラシック音楽館は、今年の4月8日の開催された「NHKバレエの饗宴2017」が放送されます。井上バレエ団貞松・浜田バレエ団新国立劇場バレエ団牧阿佐美バレヱ団が登場する豪華な公演の模様は公式サイトで写真がご覧いただけますが、見れば見るほどに動きと音がほしくなるところですから(笑)、この放送はバレエファンへの最良の贈り物となるでしょう。

園田隆一郎指揮する東京フィルの演奏(長丁場!)も楽しめましょうから、私も拝見しようと思います。ということでご案内はおしまい。ではまた、ごきげんよう。

2017年5月20日土曜日

読みました:麻耶雄嵩「あぶない叔父さん」

こんにちは。千葉です。
たまには小説も読むのです。仕事にもなんにも関係なく、ただミステリが好きなもので。

●麻耶雄嵩「あぶない叔父さん」


貴族探偵」がまさかのドラマ化で盛り上がる麻耶雄嵩ファンの周回遅れとして(いちおうはメルカトル鮎シリーズなどを過去に愛読していましたが、ちょっと離れていました)、ようやく本書を読みました。
いやあ、麻耶雄嵩だったなあ…で感想を終わらせないとあれこれとネタバレしなくちゃいけなくなる、というかこれでも麻耶雄嵩を知っている人には先入観になる。いやドラマ「貴族探偵」をニ、三話見ていればわかることか…というつまらぬ逡巡を書いた上で。

タイトル通りの小説なんですよ、これ。少し真面目に連作短編の趣向を説明すれば「霧の深さが特徴の田舎町で暮らす高校生たちが遭遇する殺人事件、それを明かす主人公の叔父さん」という趣向が共通の、五つの短編が集められています。田舎の高校生の恋愛事情や、田舎ならではの人間関係などで味付けされているけれど、基本は小味な殺人事件を解決するミステリです。青春小説のテイストが強いかな…
ですが。叔父さんが危ない人なんですよ、本当に。以下本当にネタバレになります。

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真相の解明が、基本的に叔父さんの語りの形をとるのですが、その内容が問題で。
彼の語りを真とすれば、叔父さんは探偵じゃなくてあの。とツッコまざるをえない。
もしそれが甥を事件から遠ざけるための嘘だとすれば、事件は終わっていないことになってしまうわけで、それは小説としてどうなのか。”開かれた小説”どころか、そもそも閉じる気がないよ!(笑)っていう。

その辺、麻耶雄嵩だなあと笑って楽しめるか、なにこれ?って怒っちゃうか、何それ意味わかんないって引いてしまうか、反応が分かれるところだろうなあと感じた次第です。私は笑ってましたけど、人に薦めるかと言われるとこのような理由で迷います。そんな短編集でした。

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かつて話題に促されて「夏と冬の奏鳴曲」を読んで以来の、長いつきあいとなった麻耶雄嵩がまさかの月九でドラマ化、それも相当に原作を活かした/異化した作りのものが出てきている現実は、正直驚きです。ドラマ、アニメで森博嗣「すべてがFになる」を全力で押したことなども踏まえれば、「本格のフジテレビ」と言ってもいいかもしれない。
世紀の変わり目ころに講談社ノベルスを楽しんでいた私らみたいな人たちが制作側に回ったのだろうなあ、という世代論もできますけれど、かつてのミステリ好きの一人として、素朴に楽しませていただけて嬉しく思っています。願わくは、御手洗潔シリーズがまたTVで見られますように(映画に関してあったらしいトラブル以前の形で、ちゃんと石岡くんがいるやつを、ぜひ)。

では紹介のような個人的な感慨のようなものはこれにておしまい。ごきげんよう。


読みました:ヴォルフガング・シャウフラー「マーラーを語る」

こんにちは。千葉です。
読み終わった本のご紹介です。7月に向かって皆さんも読んでください!(変化球)

●ヴォルフガング・シャウフラー「マーラーを語る ~名指揮者29人へのインタビュー」


副題にありますとおり、29人の名指揮者たちへの、マーラーをめぐるインタヴューを集めたのが本書です。残念ながら本書の刊行前に亡くなられたブーレーズ、アバドやマゼール、そして現役ではメータ、ブロムシュテット、ジンマンのような高齢のマエストロたちから最年少はグスターボ・ドゥダメルまでの29人は”綺羅星の如き”とか紋切り型を口にしたくなるほど錚々たる面々です。そしてですね、なんと「uemahlerinterviews」というYouTubeチャンネルでは、本書に収められたすべてのインタヴューを見ることができます。なんて時代!

そのインタヴューは、いくつかのテーマを設けて行われたものです。それはまとめれば以下のようなもの。

・マーラーとの出会い
・具体的な演奏について
・マーラーが表現したものと20世紀の現実の関係
・マーラーが受けた影響、マーラーが与えた影響  等など…

※項目を正確に、そして全部見たい方は、書店や図書館でお手にとってはじめの数ページをご覧ください

中でもレナード・バーンスタインの影響について、また彼のアプローチについてかなりの紙幅を割いているのが、個人的には驚きでした。比較の問題ではありますが、西欧ではマーラー演奏は一度だって完全に消えたわけでもないだろうに、と思いまして。とは言いながら、やはり表立って「いける曲」扱いされるようになった契機としての”バーンスタインのマーラー”は大きかったのだな、という認識を得たようにも思います。旧全集、久しぶりに聴いてみますかね…
なお、意外なほど自伝的な部分については昔風の理解が多かったように感じます。さらにその自伝と作品を重ねるような見方も。つまるところ演奏を、出てきた音を聴いて判断するので何を言っていようと正直なところかまわないのですが、こうも”悲劇の人マーラー”像を読まされるのには正直辟易しました。偉そうですみません(笑)。
その中では、リッカルド・シャイーが言及していたイタリアの音楽学者Gastón Fournier-Facioの著作は、近年変わりつつある「精力的に活躍し、異例の速さで頂点を極めた当代最高の指揮者」「指揮者としての成功に伴って作曲についても広く受容されていった」という方向で書かれたもののように思えて興味が湧くものでした。邦訳、…出ませんよねえ(笑)。


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で、前振りの話に戻ります。えー、本書には我らがジョナサン・ノット東京交響楽団音楽監督も登場しているから、”7月までに”なんですね~おわかりですよね~(くだけすぎ)。

さて気を取り直して。ノット&東響のマーラーは第九、第八、第三と経験を重ねて来ました。今年7月に取り上げるのは交響曲第二番、「復活」です。本書に収められたインタヴューでもこの作品については触れられており、それはちょっと意外にも思える初めて演奏した際のエピソードです。いや、意外ではないのかな、これを考えれば…

ともあれ、よろしければこちらの動画をご覧ください、そして7月にはミューザ川崎シンフォニーホールで僕と握手!(懐かしいネタ←阿呆)



うんうん、ノット監督は全集指揮者だものね、ここに呼ばれる資格十分だよね、(東響でも全集になるまでやってくれないかな、チクルスやるなら何年後かな←やると決めつけてる)などと思いつつご紹介はおしまい。ではまた、ごきげんよう。

※追記。書くかどうかとても迷ったのですが、気にしないのも変であるように思えますので。
あとがきで「小澤征爾へのインタヴューも行う予定だったが取りやめになった」という言及があるので彼がここに登場しないのはわかります。またタイミングの関係で、既に亡くなられたマエストロたちにはお話を伺いようがない。それもわかる、というか当然のことです。また、ニコラウス・アーノンクールのようにマーラー演奏とは縁がなかった方がいないことは仕方のないことです。
ですが、今なお現役で活躍されている二度の全集指揮者、エリアフ・インバルが本書に不在であることに、少なくない当惑が残りました。うーん。

2017年5月19日金曜日

ラ・プティット・バンド 10月来日

こんにちは。千葉です。
来日公演の情報です。

●La Petite Bande Concerts

ラ・プティット・バンドの公式サイトで情報を確認すると、10月9日の大阪公演から21日の福岡まで、日本各地での公演が予定されていることがわかります。大阪(シンフォニーホール)、東京(浜離宮朝日ホール 10/11 10/12)、福島(福島市音楽堂)岐阜(サラマンカホール)福岡(アクロス福岡)の各地をめぐるツアーですが、基本はバッハの管弦楽曲(いわゆる管組と協奏曲)とカンタータを組合せたプログラムです。
※一部リンクを更新しました。チケットの発売情報など、各所で発表され始めています

昨年はOVPP(One Voice Per Part)というアプローチによる「マタイ受難曲」を披露しているから、今度は小規模に思えるかもしれません。けれど、あの時代の「オーケストラ」はなかなか幅広い概念を含有するもの、大編成はまたの機会に、と考えましょうそうしましょう(もしくは、日本で活躍するBCJのようなアンサンブルで楽しみましょう)。

…実際のところ、現在非常に厳しい状況にあるラ・プティット・バンドが来日してくれることはそれだけでも奇跡的なことです。古楽と言われるアプローチを、説得的に示してくれた最初の世代の音楽家たちが次々と鬼籍に入られる中、シギスヴァルトに率いられたアンサンブルがこうして継続的に来日公演を行ってくれる、それだけで応援したくなるのは私だけでしょうか(いやそんなはずはない)。
彼らの状況は、リンク先のファンによる日本語Facebookアカウントが詳しく伝えてくれておりますので、興味のある方は、と言わずぜひご覧くださいませ。



一連の公演の中でも充実しているのが新・福岡古楽音楽祭2017の一連の公演であることはリンク先を開ければ嫌でもわかります。ツアーのメインプログラムはないけれど、独自プログラムを含めてヴァイオリン独奏、弦楽四重奏、そしてハイドンのオペラと三公演もあるだなんて羨ましい、羨ましすぎます。
(東京でも弦楽四重奏はあるのですが、なによりハイドンの「ラ・カンテリーナ」が!!)



私にいわゆる古楽、「作曲された時代のアプローチによる演奏」を教えてくれて、今もなお新鮮な刺激を与えてくれる彼らに、少しでも恩返しがしたく、確定情報が少ない中で記事化させていただきました。
各地の公演が成功しますよう、何かお手伝いできることがあればお声掛けください…

ではまた、ごきげんよう。