2017年2月28日火曜日

METライブビューイング「ルサルカ」

こんにちは。千葉です。

恒例の劇場上映オペラの新作情報です。上映は3月18日(土)からです。

●METライブビューイング「ルサルカ」








今をときめいていらっしゃるマエストロのパートナーでもあるクリスティーヌ・オポライスがタイトルロールを務めるドヴォルザークの歌劇「ルサルカ」の新演出がMETライブビューイングの次作です。すでに25日には現地での公演が行われていますので、海外評もで始めています。

>海外評1 >海外評2 >海外評3

(これも拝見したらまた追記します)

現時点では以上。ではまた、ごきげんよう。

METライブビューイング「ロメオとジュリエット」

こんにちは。千葉です。

昨日拝見した「ナブッコ」でも告知があったので、そして既に現地では好評で迎えられている模様なのでご紹介しましょう、METライブビューイング次回作。

●METライブビューイング グノー「ロメオとジュリエット」

ヴィットリオ・グリゴーロとディアナ・ダムラウが主役のこの舞台は新演出のプロダクション。グノーのオペラと言えばまずは「ファウスト」でしょうけれど、これも名作を原作とした作品です。バートレット・シャーの演出、指揮はジャナンドレア・ノセダです。











上映は2月25日より各地劇場にて。METらしい大きい舞台を活用した大きい見せ方、旬の歌手の舞台、お楽しみあれ、です。

<参照> 現地評1 現地評2 現地評3

※追記。2月27日拝見しました。オススメです。
演出のバートレット・シャーは「オテロ」「ホフマン物語」でもいい仕事をしていました、というより渡辺謙を起用した「王様と私」の演出をした、という方が一般的に通りが良いかもしれません。ミュージカルやストレートプレイで活躍する彼の演出は流れもよく美しい場面も多いもの。上に貼っておいた動画のうち、一番下の喧嘩の場面はここに至る流れの作り方に感心しました。先日笈田ヨシさんの講演を伺ったばかりだから、つい演出家が仕事をしている部分に注目してしまった、というのはあるかもしれないのですが、ここの目配りは素晴らしいです。
なおこの舞台、中世ヴェローナに限定されない「どこかの都市、いつかのお話」くらいの虚構性なのだとか(休憩中のインタヴュー参照)。フェリーニの「カサノヴァ」を参照したという衣装デザインはたしかに考証や再現より、表現を意識したもの。セットは基本一つのもので小道具や見せ方で場面を変えるものですが、映像的にも楽しめます。

そして音楽。ノセダの指揮や、ミハイル・ペトレンコのローレンス神父(が腹に一物あるように見えるのは昨年の「ファウストの劫罰」のおかげ←おい)、キャピュレットのローラン・ナウリにマキューシオのエリオット・マドールなど見どころ聴きどころは多いけれど、主役二人の前には霞んでしまう、と言わざるをえない(いや、実際にはこのプロダクションのスキのなさが主役の二人をより盛り立てているのだけれど、お決まりの物言いということで許してください)。
ヴィットリオ・グリゴーロのロメオと、ディアナ・ダムラウのジュリエットは素晴らしいです。これでますます向こうで人気になって、なかなか日本でのオペラ公演には出会えないことでしょう…多くを語ってもしょうがないので、上の動画で気になった人は今週中の上映なので迷ってる暇はないです。ぜひ劇場へ。

グノーの歌劇は「ファウスト」以外ちゃんと聴けていない状態なので「ロメオとジュリエット」も初見でしたが、戯曲から台本に落とす際にうまい具合に名台詞を入れ込んで、エンディングも甘めに改変されていてちょっと泣けます。原作の絶望的な入れ違いを、…ってここからは書かないほうがいいでしょう。ぜひ劇場へ(二回目)。

以上お知らせでした。ではまた、ごきげんよう。

2017年2月27日月曜日

3/5&12「N響 第1851回&第1852回定期公演」放送

こんにちは。千葉です。

放送予定のご案内、今回は二週分をまとめてお届けします。その対応の必要があるもので。番組は「クラシック音楽館」、日曜21時からEテレでの放送です。

●N響 第1851回&第1852回定期公演

いずれも出演はシャルル・デュトワ指揮 NHK交響楽団ですが、ソリスト、公演日についてはそれぞれに記載します。

・2017年3月5日(日)

<N響 第1851回定期公演より 2016年12月9日>

ビゼー:歌劇「カルメン」より 第一、第二幕

<N響 第1852回定期公演より 2016年12月16日>

ブリテン:歌劇「ピーター・グライムズ」より 四つの海の間奏曲 Op.33a

・2017年3月12日(日)

<N響 第1851回定期公演より 2016年12月9日>

ビゼー:歌劇「カルメン」より 第三、第四幕

<N響 第1852回定期公演より 2016年12月16日>

プロコフィエフ:ヴァイオリン協奏曲第一番 ニ長調 Op.19
  ヴァイオリン独奏:ワディム・レーピン
ラヴェル:
  ツィガーヌ
  バレエ音楽「ラ・ヴァルス」

「カルメン」のキャストは以下のとおりです。

カルメン:ケイト・アルドリッチ
ドン・ホセ:マルセロ・プエンテ
エスカミーリョ:イルデブランド・ダルカンジェロ
ミカエラ:シルヴィア・シュヴァルツ
スニーガ:長谷川顯
モラーレス:与那城敬
ダンカイロ:町英和
レメンダード:高橋淳
フラスキータ:平井香織
メルセデス:山下牧子

合唱:新国立劇場合唱団
児童合唱:NHK東京児童合唱団

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二時間の放送枠でオペラを放送する、かつ二回の定期公演の全曲を放送する。この無理めな要求をクリアするため、前回から第1852回定期公演が小分けにして放送されていたわけです。「これがなかったら、過去のデュトワさんとの名演を振り返る形でオネゲルの”クリスマス・カンタータ”が放送されたのではないだろうか…」とは申しますまい(書いちゃってます)。創立90周年欧州ツアーに免じて許してあげます(偉そう)。

なお、この「カルメン」は二公演が行われてそのどちらもがノット&東響(@ミューザ川崎シンフォニーホール、東京芸術劇場)の「コジ・ファン・トゥッテ」と完全にかぶる日程だったという、天国なのか地獄なのかもうよくわからない状況でした。今年はプログラムがよそとガンガンにぶつかるN響、怖い子……と表情が変わったところでご案内はおしまい。ではまた、ごきげんよう。

2017年2月26日日曜日

2/26(27)「アンドリス・ネルソンス指揮 ライプチヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団/ミルガ・グラジニーテ・ティーラ指揮 バーミンガム市交響楽団 演奏会/ドキュメンタリー『マエストラ 指揮台への長い旅』」放送

こんにちは。千葉です。

2月26日深夜24:00~(27日未明0:00~)から放送される、NHK BSプレミアムのプレミアムシアターのご案内です。オーケストラの演奏会とドキュメンタリーの三本立ですよ。

●アンドリス・ネルソンス指揮 ライプチヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団演奏会/ドキュメンタリー『マエストラ 指揮台への長い旅』/ミルガ・グラジニーテ・ティーラ指揮 バーミンガム市交響楽団演奏会

順番に少しずつコメントしますね。

・アンドリス・ネルソンス指揮 ライプチヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団演奏会
音楽監督として活躍するボストン交響楽団とのレコーディングがグラミー賞を受賞したばかりの、そして今回放送されるライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団の首席指揮者に今年就任するアンドリス・ネルソンスの活躍は、今や無視できないものです。オペラでもシンフォニーでも経験を積んで存分に活躍するマエストロが、「欧米」とくくられながらあり方の違う2つのオーケストラでどんな活躍を見せてくれるものか、この日放送されるコンサートからも伺えるでしょう。

曲目はヴェーベルン、ワーグナーに「春の祭典」ですよ。…ライプツィヒ、ここまでモダンなオケになるとは思いませんでしたなあ、なんてかろうじてクルト・マズアの時代を覚えているおじさんの感慨でした。それはブロムシュテット、シャイーと続いた長い近代化(と書くと何か申し訳ないけど)による成果、良いも悪いもないのですけれど。


「ミュージシャンズ・アット・グーグル」に登場したアンドリス・ネルソンス。一時間くらいあるのでお時間のあるときにでもどうぞ。

・ドキュメンタリー『マエストラ 指揮台への長い旅』(2016年 ドイツ)
おそらく、生きているうちに消えてくれると期待している言葉、「女性指揮者」のドキュメンタリーです。
シルヴィア・カドゥフ、マリン・オールソップ、バーバラ・ハンニガン、アヌ・タリ、コンスタンティア・グルズィが出演者に並んでいますが、この中で演奏を聴いたことがあるのはマリン・オールソップだけ(それもプロムスのラストナイトの放送)、去年アヌ・タリを聴く機会もあっただろう!こういうファンが「女性指揮者」を特別な存在にしてしまっているんだよ、いい加減にしろ!(自虐)ということで、勉強させていただきます。(この姿勢自体が根本的な問題のひとつだとわかっていても、私が無知であることは認めておくべきだと考える次第です)

なお、ソプラノ歌手として壮絶なパフォーマンスを繰り広げる(大げさではない)バーバラ・ハンニガン、指揮者としても活躍していつことは最近知りました。こんな感じみたいですよ。


イェーテボリ交響楽団との演奏会より、ノーノとハイドン(!!!)。


せっかくだからもう一つ、歌い振り(???)でストラヴィンスキーの「放蕩者の遍歴」より。

・ミルガ・グラジニーテ・ティーラ指揮 バーミンガム市交響楽団演奏会

名前も知らなかった彼女がバーミンガム市交響楽団に招かれた、というニュースを、驚きを持って紹介しながらも「このオケならやる」と感じたのも事実です。その首席指揮者デビューとなった一連のコンサートから、プロムスでの演奏会を放送するとのこと。



なお、こちらの演奏会でバーバラ・ハンニガンが披露する「レット・ミー・テル・ユー」はハンス・アブラハムセンの曲で、アンドリス・ネルソンスがボストン響の演奏会でも取り上げています。ということで上手くこの番組全体がつながってくるという。そしてアンドリス・ネルソンスはご存じの方はご存知のとおり、バーミンガム市交響楽団でも活躍していましたから、ひそかにバーミンガム市交響楽団応援番組かもしれません(陰謀論)。

冗談はさておいて。ボストン交響楽団はアンドリス・ネルソンスとともに今年来日しますので、今のうちに聴いておくと良いと思います。ボストンとライプツィヒ、違う特色のある団体をどう振り分けているのか、彼はこの先どことどんな仕事をしていくのか。長くお付き合いすることになるだろう、”この時代のマエストロ”だと思いますので。

では紹介はこのあたりでおしまい。ではまた、ごきげんよう。


2017年2月24日金曜日

書きました:中央大学人文科学研究所主催公開講演会「演出家・笈田ヨシ、《蝶々夫人》を語る」ノート

こんにちは。千葉です。

先日、私からは高崎公演のレヴューをお届けした笈田ヨシ演出の「蝶々夫人」は大好評裏に19日に終演しました。
で、その翌日、中央大学駿河台記念館で行われた講演会に参加してきましたので、そのレポートを寄稿しています。

●「蝶々夫人」論、演技・演出論の”ノート”———中央大学人文科学研究所主催公開講演会「演出家・笈田ヨシ、《蝶々夫人》を語る」

タイトルにも”ノート”と入れていただきましたとおり、あえて全文書き起こしはしていません(やる気がないとかではなく、公式な記録はきっと主催の側でされるかと思いまして。本当ですよ!何ですかその疑いの目は)。ノートとしたのは、ここでは千葉の理解の程度までしか笈田さんの楽しいお話をお伝えできていないという残念な自覚あればこそですけれど、可能な限り話題を拾うよう努めました。先日の「蝶々夫人」をご覧になった方はもちろん、演劇の人として笈田ヨシをよくご存じの方にもお楽しみいただければ幸いです。事実誤認などございましたらこちらでもツイッターでもなんでも構いませんのでご指摘ください。

この日、森岡実穂さんからはペーター・コンヴィチュニーの仕事ぶりとの共通点の指摘がありましたが、私は自分の領分からジョナサン・ノットがよく言及する「即興性」と、笈田さんの言及する”「ふっくら」とした、人間が関係しあっている舞台”の共通性のことを講演を楽しく伺いながら考えていました。舞台上の自由が広義のライヴが生きたものとして共有されるための条件のひとつ、なのかな、とかなんとか。

ともあれ、ぜひご覧くださいませ、あの素敵な舞台を振り返る一助とでもなりましたら幸いであります。

<参考>イェーテボリ歌劇場での上演に先駆けた笈田ヨシのコメント(英語)



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なお。私、著名な方と一緒にお写真を撮る趣味はないもので(何より横でにやけている自分を見るのが厭)この日もお願いしませんでしたが、スズキを好演された鳥木弥生さんがこの日来場されていて(笈田さんも何度となく話を振る)、直接高崎の公演についてお話できたのは予想外の嬉しいことでありました。

鳥木弥生さんが演じたスズキに関連して過去の記事には入れにくかったことを申しますなら、私個人は”スズキが終盤蝶々さんを一人にしたがらない場面”で(これ洋画でよく見るあれだ!)と感じてゾクゾクしました。どういうことかと云いますと、ですね…
こういう瞬間があることで、作品の見え方そのものが変わってくるような気がするんですよ(小学生の感想文並)。いや違うな。
ある出来事が特別のものとして見えたその瞬間に舞台が変容し、作品がまた別の相貌を示し始める特権的な経験において、我々はまた作品を新たに生き直すのである(批評家的な表現)。という照れ隠しでした(とてもわかりにくいYO!)。

なお、鳥木さんはこのあと横須賀でもスズキを(小ホール公演なので残席かなり僅少とのこと/3月12日)、そして立川ではカルメンを演じられる(3月19日)とのこと(それ以降の予定は鳥木さんのブログでどうぞ)。

ではご案内はこれにて、ごきげんよう。


2017年2月23日木曜日

スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ(指揮者、作曲家)死去

こんにちは。千葉です。

また訃報が届いてしまいました。残念です。

●Stanislaw Skrowaczewski, Minnesota Orchestra's conductor laureate, dies at 93(Minnesota Public Radio News)

スタニスラフ・スクロヴァチェフスキが亡くなりました。読売日本交響楽団、NHK交響楽団への客演でも好評だったマエストロ、今年も来日の予定でしたが惜しくもキャンセルが発表済みでした、快癒かなってまた来てくれればと誰もが思っていたのですが…

私はザールブリュッケン放送交響楽団と称されていた頃に(現在はザールブリュッケン・カイザースラウテルン・ドイツ放送フィルハーモニー管弦楽団)、来日公演で聴かせてくれたブルックナーの交響曲第七番がひとつのパラダイムシフトと言えるほどの衝撃だったことを今も鮮明に思い出せます。ブルックナー作品のなかではより柔らかい、美しさが際立つ音楽だと思っていたこの曲が、あれほど力強く意志的な音楽であり得るとは、「第二楽章まででいいかな」なんて酷いことを思っていた後半の三、四楽章があれほど説得的に響くとは。音楽の、演奏の可能性を教えていただいた大切な経験でした。合掌。




hr交響楽団のYouTubeチャンネルより、自作自演とブルックナーの交響曲第九番(どちらも2014年11月27日の演奏会より)

※なお、5月に予定されていた来日が中止となった件についての記事は、本稿に先駆けて更新済みです

訃報に触れるたび頭を垂れて、もう御礼申し上げることくらいしかできないのだ、と再認識させられる私であります。今ひとたび合掌。では。

2017年2月21日火曜日

上岡敏之&新日本フィル すみだ平和祈念コンサート2017《すみだ×ベルリン》公開リハーサル

こんにちは。千葉です。

●すみだ平和祈念コンサート2017《すみだ×ベルリン》公開リハーサル

すみだ平和祈念コンサートは、東京大空襲の日である3月10日前後に毎年すみだトリフォニーホールにて開催されている恒例のコンサートです。すみだトリフォニーホール開館20周年の今年は、上岡敏之&新日本フィルによりマーラーの交響曲第六番が演奏されます。その演奏会を前に、すみだトリフォニーホールで墨田区民とトリフォニーホールチケットメンバーズを対象として公開リハーサルが行われます、というご案内です。すでに会員の皆さん、そして墨田区民の皆さん如何ですか!

…で、私が気づくのが遅かったのでこちらの申込みはもうすぐ締め切りとなります。参加は無料ですが、23日(木)までにお申込が必要です。そんなわけで詳しくはリンク先をご参照ください。確認も申込みも早めでお願いします!すみません!!

ちなみに、3月12日には川越市のウェスタ川越でも同じプログラムの演奏会が開催されます。詳しくはこちらをご参照ください。私としてもそろそろお聴きしなくては、なのですよ上岡敏之&新日本フィルハーモニー交響楽団

 
昨年12月定期のリハーサルを拝見するに、かなりオーケストラとのコンビネーションも仕上がりつつある模様ですし。どうですか皆さん。

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さて、上岡&新日本フィルとこれまた作品がぶつかった格好のパーヴォ・ヤルヴィとNHK交響楽団は、欧州ツアーでこの作品を演奏します。ツアーの前に、横浜みなとみらいホールで22日と23日にもマーラーの同曲を披露します(ツアーの話はこちらで紹介してます)。海外への楽旅では首席奏者クラスが勢揃いしますから、演奏のできは間違いなく現在の彼らのベスト級のものとなるでしょう。ベルリン公演の放送が予定されているようですが(来月のプレミアムシアター、別途記事は立てます)、今なら実演に間に合いますよ、どうですか皆さん(天丼)。なお詳しいコンサート情報はリンク先にてご確認くださいませ。

以上公開リハーサルのご案内でした。ではまた、ごきげんよう。