2012年10月1日月曜日

「本編の前にメイキングをお楽しみください」ってなんなんだよ

こんにちは。千葉です。

今日はニュースを見ているとついちょっと余計なことを言いたくなったり、昨日あったらしいとある「検定」について大いに引っかかったり、と日々不平の多い私ですが(笑)、こっちは怒っているのでおふざけ少なめで前説も早々に思うところを書きます。


あのう、昨晩、こちらの番組を見始めて数十分後に見るのをやめてしまいまして。


◆サイトウ・キネン・フェルティバル松本2012 放送決定!

小澤征爾とサイトウ・キネン・フェルティバル松本2012 BSプレミアム 2012年10月1日 午前0:30~4:25(30日深夜)

オネゲルが好きだけれどこのフェスティヴァルに伺う余裕があるわけじゃなし、映像収録があるといいなあ、と以前に書いたくらいですから、えぇえぇ、喜んで待ちましたよ、深夜の放送を。収録&放送ありがとう、そう思っていました。

で、これは事前に確認しなかった千葉もいけないのだけれど。この番組枠「プレミアムシアター」の冒頭約四十分は、今年のフェスティヴァルのドキュメンタリというかなんというか、平たく言ってしまえばメイキングでフェスティバルの観光案内で、舞台の解説番組でした。
こんな編成ありえない、上演された舞台を見るためにこんな深夜に起きて待っていたのに(いつも起きてる時間だけど)。怒り心頭に達して、ドキュメンタリの途中で視聴をやめてふて寝しましたよ私は。

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えっと、なんで怒っているか伝わりにくいかと思いますので、もうちょっと説明を。深夜零時すぎにオネゲルの作品を心待ちにしている奴がそう多かろうわけもないし、この時間帯であれば録画で見る人のほうが多いのだろうな、というのはわかります。それなら気にしなくてもいいことに、千葉は引っかかっています。
あのですね、ドキュメンタリを流したいのだとしても、それは「プレミアムシアター」を名乗る枠で、舞台そのものに先行させて見せるべきものなのかい?ということがまず何よりも気になるのです。例えて言えばこういうことですよ、映画の本編見る前に、映像特典のインタヴューとかメイキングを熱心に見るマヌケがどこにいるのか、と。上演の経緯から演出意図から演技苦労話とか全部話しちゃうプレトークとか、誰がやりますか?

そもそもパフォーマンスの鑑賞はライヴでの対峙だろうに(たとえそれがテレビ放送や録画、CDやDVD/ブルーレイなどの複製物であろうとも、と言わせていただきたい)、そんな答え合わせみたいな視聴を誘導してどうするのかと。少なくとも私は、そんな形で先入観を与えてもらって舞台を見たいとは思いません。


他にも問題に感じられることはありまして。

・番組が意外に長いこと
深夜の時間帯でこれはない、舞台を先に放送してくれるならオネゲルの作品は演奏時間にしてCD一枚分、約80分ですから、深夜二時前には「本編」が終わるはずだったのに。ドキュメンタリに40分少々という時間の使い方、別枠でたとえば21時台のNHKスペシャルならありかもしれない。でもこの時間にこれは、あまりにもリアルタイムで見られることを考えていない。前述の姿勢的な問題もあるけれど。
果たして放送をその時間に見てほしいのか、それとも録画してあとで見てほしいのか。どっちなんですかね。こんな編成やあんな番組を作っておいて、「放送を見ている人が少ないから」を理由にあとでクラシック枠を縮小されるのは厭ですよ、受信料を負担するいち視聴者として言わせていただきますけど。

・総花的で散漫な内容であること
残念ながら舞台に立てないマエストロの話をしたいのか、そのことで転換を余儀なくされそうなフェスティヴァルの話をしたいのか、抜擢された若き代役の話をしたいのか、オネゲルの舞台について話したいのか、小澤とカラヤン家の話をしたいのか等など。お題は多い、そうなってしまうとこの長すぎるように思われた放送時間はあまりに短い。すべての話題が表面だけを撫でては通りすぎていく。
いろいろな課題をすべて取り上げました、これで十分にフェスティバルの現在が紹介できました!と思うのは既に事情に詳しい人や関係者、番組の制作サイドだけで視聴者は「いろいろと大変なのねえ」で終わりですよ、これでは。

・メイキングいらない派はどうすればいいの?
そもそも千葉は、いわゆるメイキングのたぐいはファンサーヴィスの範疇だと思っているので、事前に余程の興味を持てたもの、視聴等の経験をすることで好きになったもの以外では不要です。最近映画をDVDでいろいろと見ているけれど、わざわざ映像特典まで見ることは殆どないです。映像の作り方を知ろうという動機が薄いんです、だから見てもせいぜいが予告篇くらい。それにしたってDVDなら選ばなきゃいいんですけど、放送はスキップできないのよ!(大泣)

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番組をご覧になっていない方には「この人文句多いなあ」と思われて終わりになるのはわかっているのですが、どうしても流せないことに思えたので書き残しておきます。あ、これをもう少し書きなおして放送局にご意見で送ればいいのかな…

前にも書いたことですが、現在オネゲルの傑作オラトリオ「火刑台上のジャンヌ・ダルク」の映像はなかなか入手できません。そこにこの放送を知って好機到来、旱天の慈雨!と期待した私の貧乏性がいけてなかったのかな、とも思います。しかしながらはじめに指摘した「メイキングが先、本編があと」問題はけっこう本質的なところまで届きかねないもののように思えますが如何。

以上長々と書きました、ボケもオチもございませぬ。ではまた。




えっと、若き小澤征爾の録音が復活するらしくって…よ!(少し頑張ってみた)新盤すら入手困難なご時世だからこそ、と思うのだけれど…(しつこい)
今入手しやすい音盤は、セルジュ・ボード&チェコ・フィル他による一枚かと。対訳もきっちりついてますので初心者でも安心です!(…)

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