2012年10月13日土曜日

印象派は苦手です(特にモネ)


こんにちは。千葉です。

ちょっと前に舌を噛んでしまって口内炎風の傷ができていましてね。で、それを避けて食事をしている最中に誤って口の中を二箇所も噛んでしまって今や傷だらけなんですよあたしの口の中は。おかげさまでもう、食事中はずっと涙目でありんす。利点はそうですね、眠くなったら患部を噛めばすぐに目がさめること、かな!(開き直り)

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どうでもいい話はさておき。「まずい明日で会期終わっちゃうよ!」と今日気がついて、慌てて遅れに遅れた感想を書きます。普通の美術展なら感想は向こうに書くところだけど、今回のは音楽だからこっち。恣意的な使い分けで申し訳ないところですがご容赦のほど。

◆ドビュッシー、音楽と美術 ― 印象派と象徴派のあいだで


まずブリヂストン美術館、いろいろと縁があってもよさそうなのに(笑)、来たのは初めて。京橋駅からすぐで東京駅にも近い便利な立地、展示自体はビルのワンフロア(の半分くらい?)なのでこじんまりとまとまってる、とも言えるし、ちょっと小さいかな、とも言えるでしょう。都内ではまあ、こんなもんでしょうか。
一階のエントランスはスルーして二階の展示フロアに上がるとまずは企画展、順路をめぐり終わると所有する東西の作品が展示されている。通路にはドビュッシーの像(デスマスクも)あったりして。話は関係ないんですけどひところのデュトワさん、髪型が完全にこれでしたよね、コスプレ?(無礼者)

展示は彼の生涯を追う形で、つまり時代ごとにかかわりのあった、影響を受けた絵画や彫刻、写真に工芸品などが展示されるスタイル、一部楽譜もあるけれどケースの中のスコアを、あるページだけ開かれていてもどうすればいいのかと(笑)。場内では小さい音量ながらドビュッシーのピアノ曲が流され、とりあえず彼のことをはっきりとは知らない人でもその音楽の持つ雰囲気はわかったんじゃないかな。言い方が曖昧なのは、えっと、展示と音楽の関係を詰めて考えなかったもので、千葉にはただの雰囲気でありました(笑)。でも、それなら音声ガイド(有料、千葉はもちろん借りてない←いつもです、どんな美術展でも)で曲を流すなよ、人が滞留するじゃないか、と思わなくもない。なんというか、都内の美術展に行くとあまりの混雑に渋滞解消のための手段ばっかり考えちゃうんですよね、千葉は(笑)。

ドビュッシーと言ったらセットでついてくる印象派にとどまらず象徴派の作品や知ってる人は知ってる通りのジャポニスム関連の展示もあり。まあ、パリ万博でオッペケペー節ですよ!(間違ってはいない、けれどその物言いはどうか)
にしてもこういう展示の時は、オリジナルの浮世絵よりもむしろ海外での模写のほうが興味深く思われますね。例えばあの三つの交響的素描「海」のスコアの表紙にも使われた北斎の「神奈川沖浪裏」の模写、手前の船と富士山を欠いているんですよね。あの画の趣向はそこにあるのだろうけれど、彼らはそれよりデフォルメされたしかしイメージ通りの海そのものの像を強く受け取ったのかしら、とか思えてなかなか面白いなと思うのです。ゴッホの浮世絵の模写なんて、言葉にしがたいほど強烈ですしね…ああ、もしかすると「人に渡されたペルゴレージ(ガッロ)のスコアから、イーゴリさんの考えたバロック音楽としてプルチネッラが作られた」的な変容が面白い、と思っているのかも。書きながらの思いつきなので何も展開はしませんけど。

にしても幾つか展示がありましたが写真というのはあれですな、昔は印画紙の限界か現像技術の制約か、とても小さいものだったんですな。各種書籍の図版で見かけたものがいくつかあったけれど、鮮明さを抜きにして言うなら書籍やモニタ上で見た方がわかりやすいかも。もちろん、現物の持つ雰囲気はあるのだけれど、資格情報としてはどうなんだろう、資料としては…とかなんとか、写真というテクノロジーの変遷というか先行きというか、そんな余計なことも考えたよ。20世紀初頭前後のパリというのはなかなか気になるところでありますからね。

あと大ざっぱなコメントをするならば、「カンディンスキーはもっといいのがなかったのかい?」(あれをマネやモンドリアンに並べられるのは、辛い)「千葉はマネが好きだなあ」(絵は門外漢なので感想も素朴です)「岡鹿之助の名前を覚えておこう」(館所有の一連の作品の中では一番気になりました。案の定というべきか、ショップでは画集も売ってましたね)、くらいですか。久しぶりの美術展、楽しうございました。

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なお、最初に書きました通り会期は明日まで。ということで、どうも今日もかなりの混雑だった模様(Twitter情報)。先ほど言及した写真なんかもそうですが、工芸品などはできるなら近くで時間をかけてみたいものだけれど、そのような状況が作れるのかどうか。そんな懸念はありますが、ご覧いただける方はぜひ。では本日はこれにて。


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