2013年6月21日金曜日

いいものもある、だが悪いものもある。ではこれは?

こんにちは。と言うかほんとうにご無沙汰いたしました、千葉です。

いちおう空白の理由は向こうのブログにも書きましたとおり、左手の火傷からくる心身の不調ゆえ、でした。体調が悪くて音楽など上手く受け取れませぬ、ただせめてそのお詫びをしておくべきでありました。本日はちょっとどうとも取れるニュースを知ったので、復帰戦とて少し書きますです。

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サッカーの話題が落ちついた後の千葉のTwitterのタイムラインでは、しばしこれが話題になっておりました。見てないけど新聞広告を出されたんですね。

◆2013年9月 Opera AIDA in TOKYO DOME

なるほど。闘強導夢、じゃなくて東京ドームでまたオペラをやると、アレーナ・ディ・ヴェローナのアレの引越し公演で「アイーダ」です、と。

千葉がフォロウさせていただいてる皆様には以前の、バブル期の来日の記憶も千葉同様にあるようでございまして(そりゃそうか)、千葉同様にあれやこれやの反応がございました。
千葉がツイッターで書きました反応は、どちらかと言えばいわゆる業界っぽい見方になっちゃいました、情報を知ってまず今から9月の公演の売出しってのがどうかな、と思ってしまって。それをここにざっくり書き残すならば、「おそらく顧客層を明確にターゲティングして(悪く言えば皮算用)、この記念年に打ち上げる花火としては失敗しない程度の予定はあるのだろう、ただしその座組はポピュラー畑のものに思われるので充分に機能するかどうかは不明、客層も不明」というもの。きっと、千葉がブログやTwitterでおつきあいいただいているような皆さんがチケットを買っていく公演ではない、んですよ。じゃあ誰が行くんでしょうね?(笑)

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まあ皮肉っぽい言い方にはなりましたが、ヴェローナの上演が悪いものだと言っているわけではございませぬ。彼らの「アイーダ」、最近の映像が公式に配信されてましたから以下に貼っておきましょう。



巨大な舞台に大量の出演者。豪華であります。まあフェスティヴァルとしてはありだと思いますし、この作品はそもそも特別な意味合いを持たされたものだから、そしてヴェルディ作品の中でも見世物的要素をも取り込んだグランド・オペラ路線の極北ですから、「特別な上演」としての演出なのでしょう。今風の読み替えがどうこういうような演出ではなく、スペクタクルを提供する場としての劇場、まあこれはこれで。

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しかしその一方で、この作品は伊達にヴェルディ最晩年の傑作ではないわけで。筋立てはシンプルなメロドラマでありながら、学者オーギュスト・マリエットの原案があって相応にオーセンティック(もちろん、現在の研究の水準から見たらただの面白ストーリーなのかもしれませんが)、そして中盤の凱旋が終わればあとはドラマ的には袋小路へ一直線の心理劇。そういった面は近年の、たとえば千葉は好きで聴いているのだけれどアーノンクールの盤ではこれでもかと強調されてます。なんかチューリヒでの上演は読み替えで現代のパレスティナだったとか…(まあ、ありだと思いますけど)


そう、安心して楽しむことを許してくれる見世物でもあり、同時に最高のドラマを、オペラを楽しめる作品でもある。そういう作品ですから、どんな経緯でどなたが行かれるのかイマイチ想像できないのですが(笑)、行かれる方が楽しまれますよう。

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いいなあ、まだ実演は見たことないんですよね「アイーダ」。この先あまり機会もなさそうだし…いろいろ言いましたが、千葉の一番素朴な感想はこれであります(笑)。関係各位も含めて、公演が成功に終わりますようお祈り申し上げて本日はおしまい。ではまた。




アーノンクールのプロモーション映像もございました。よろしければどうぞ~。

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