2015年9月13日日曜日

9月はオペラオペラ、オペラ(とアルヴォ・ペルト)

こんにちは。千葉です。

イエメンにトルコに、シリアにそこからの難民/移民問題(向こうのニュースをたまに見ると、受け入れ反対の人は皆一様に「経済的事由で来た奴は難民じゃなくて移民」って言ってますね)、などなど何も収まる気配がない。毎月似たようなことを書いていて、書くたびその改善されなさに困る次第であります。

翻って日本の話を見れば、こっちも困った話ばかりで。
喧しい運動会の話はともかく(そもそも招致自体に賛成したことがないので、あの騒ぎに興味がもてません)、戦争下請け法案に(シリアの現状とその影響を見て、それでもあれが必要だと言う人は申し訳ないんだけど無責任っすよ。あと、そもそも憲法違反なので成立したその日から違憲立法審査の訴えが始まる法律を作ることの無法さ、それがわからないのはバカなのかな?いや、わざとやってるんですよね知ってます)、嘘つき市長の国政出馬するかも?トーク(ってかTweetでしたね。彼氏、黙殺するか「嘘つくなよ」って指摘する以外の扱いは無意味です)など、正直な話内向しすぎて正気じゃなくなってるんじゃないかと割と真剣に懸念しています。どれもこれも、話の筋道がおかしかったり不合理だったり。いい加減やっちゃいけないことはやめなよー、ってこどもレヴェルの話多すぎです。それこそ災害が起きているまさにその日に、自分のお仲間のネットTV番組に出演するリーダーとか、どれだけ侮辱的な存在であることか。あの地震の頃を基準で考えるなら、もう何人も大臣が首になってますよ、総理大臣含めて。

上はおかしいけど現場はがんばっている、それはあの地震の頃と変わらないのになんとも不合理でありますが、なによりまず被災された皆さまにはお見舞い申し上げさせていただきます。少しでも早い復旧等が可能になりますよう、そして衛生状況などかなり厳しいことかと存じます、体調にはお気をつけ下さいませ。

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前置きが長くなってしまいました。これからはこういう話、もう少し小出しにします(え)。
さてきょうの本題、今晩からの9月分プレミアムシアターのご紹介ですよ。映画に音楽に歴史モノに、ほんとうに8月をがんばった公共放送文化部に拍手を、そして政治部に罵倒を。ああその話は別口で。


●9月14日(月)【9月13日(日)深夜】午前0時~4時45分

・藤原歌劇団公演  歌劇『ランスへの旅』【5.1サラウンド】
・ナタリー・デセイ&ミシェル・ルグラン・イン・ベルサイユ【5.1サラウンド】

まずは今晩、日生劇場で今年の7月に上演された藤原歌劇場の公演です。ロッシーニの喜劇オペラ「ランスへの旅」を、アルベルト・ゼッダの指揮、東京フィルの演奏、そしてもちろん歌劇団の皆さんの出演で。ゼッダ翁の指揮が頓に好評だったと記憶しております。
にしてもロッシーニのオペラ、タイトルだけだとある種の妄想スイッチを押してくれないのでどんな話かも知らないまま聴いてないのが多いなあ、といま気がついて少し反省しておりますよ。単にそこまで手が回っていないだけ、ではあるのですが、ロッシーニ・ルネッサンスが千葉に届くのはまだ先かもしれませぬ。勉強勉強。

後半の「ナタリー・デセイ&ミシェル・ルグラン・イン・ベルサイユ」は再放送、ルグランのピアノで歌うデセイをどうぞ、という感じだったかと。いや、最高の歌手を迎えて楽しそうなルグランを見る番組、だったかな…(笑)

●9月21日(月)【9月20日(日)深夜】午前0時~3時30分

・ブレゲンツ音楽祭2015 歌劇『トゥーランドット』【5.1サラウンド】
・ドキュメンタリー「失われた楽園 ~作曲家アルヴォ・ペルト80歳~」【5.1サラウンド】

前半は「湖上の音楽祭」として知られるブレゲンツのオペラ、「トゥーランドット」です。姫のムラーダ・フドレイってマリインスキー劇場の人ですね、たしか(確認しましょうね自分)。指揮は読響への客演でもおなじみパオロ・カリニャーニ、オーケストラはウィーン交響楽団です。オペラもやるんですね、ウィーン響。



このプロモーション動画を見るに、「避暑かあ、いいなあ…」と、ひと月前なら切実に思ったことでありましょうけれど(笑)、放送の時間にはきっと涼しくなっていて微妙に場違い感もあることでしょう。ともあれ、il sangueを熱くして待つといたしましょうか。

後半はその血も温度を下げようという穏やかな内容が予想される、アルヴォ・ペルト80歳のドキュメンタリー「失われた楽園」です。ペルトがすごい流行った時期、ありましたよね…(遠い目)今年は記念年なのでいろいろと演奏会でも取り上げられるようになってる感じがします。たとえば、こういうアプローチも。



この加藤訓子さんの多重録音を用いた演奏はまさにこの曲、「鏡の中の鏡」にはふさわしい、のでは。

●9月28日(月)【9月27日(日)深夜】午前0時20分~4時40分

・新国立劇場公演 松村禎三:歌劇『沈黙』【5.1サラウンド】
・「アダムス・パッション」 ~アルヴォ・ペルト80歳の新作~【5.1サラウンド】

前半は新国立劇場の面目躍如、遠藤周作の小説原作の歌劇「沈黙」です。今年6月の上演。作曲は松村禎三、下野竜也指揮東京フィルほかの演奏です。
…そうそう、下野竜也さんの名前をこの前「映像の世紀」リマスター版で見かけたのだけれど、あれはサウンドトラックを新録したってことなのかな?新版もやるらしいからありそうですよね(推測はいいからちゃんと調べなさい)

後半はこの週もアルヴォ・ペルト、新作の「アダムス・パッション」だそうですよ。前の週の「失楽園」と併せて宗教的、というか宗教の根源的部分への問いになってるのかな、という予想はつきますが果たして。なおプロモーション動画はこちらですよ。


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私、最近はちょっと紹介が滞っておりますがe+さんのサイト「SPICE」にいろいろと寄稿させていただく中でしみじみと思うことがあるんです。あのう、日本の演奏家、演奏団体の皆さまももう少し、動画などで簡単に音が聴ける、演奏姿が見られる状態を作られるのがいいのではないかと。基本的にインタヴューやコメントの方向に寄せていらっしゃるんですよね、拝見する限りでは。藤原歌劇団さま、新国立劇場さま、そして連帯責任(嘘)で東京二期会さまも。

最近は内外のオーケストラで曲一曲、おそらくは名刺代わりに置いていらしゃるのだろうところも多いですから、ぜひその舞台を見せて、歌を聴かせてファンを増やしてほしいなあと思う次第であります。
なんと言いましょうか、ありがちな「どこかで聞いた」音楽的切り口が、コンサートに足を運ぶ聴衆を増やすとは千葉にはまったく思えませんので、できたら「ちゃんと聴けるものがあって、その上でプロモーション」というスタンスの動画配信であってほしいなと願う所存であります。うーんわかりにくいですかね、「食べたことがないものを”これから食べてみたい”と思わせることの困難」とでも換言できましょうか。まさか音を聴かせるクラシック音楽にコメンタリーつけて「ウマーイ」とか叫ばせられないじゃないですかー(すみませんついこの前、地上波でそんな番組を見かけて不快になったことを思い出してしまいました)。

うーん自分が整理できてないですねすみません、この話はまた別途(いま、宿題が増えて首がしまる音が聞こえた)。とりあえず今晩からの放送をごらんくださいませ~、ということで。

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最後にもう一度、水害に遭われた方々へのお見舞いと、支援のためのリンクを貼って本日はおしまいです。ではまた。

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