2017年1月15日日曜日

1/15に「N響 第1848回 定期公演」放送

こんにちは。千葉です。

さて放送のご案内。NHK交響楽団の定期演奏会です。


指揮:デーヴィッド・ジンマン
ピアノ:レイフ・オヴェ・アンスネス ※
管弦楽:NHK交響楽団

シューマン:
  「マンフレッド」序曲 作品115
  ピアノ協奏曲 イ短調 作品54 ※
  交響曲第三番 変ホ長調 作品97 「ライン」

なお、演奏家名の表記はデータ部分では放送局の表記に準じますが、それ以外は自分の認識している一般的な表記で書きます。だから指揮者の名前を自分の文として各部分ではデイヴィッド・ジンマンになります。いまさらなお断りですがご了承くださいませ。放送されるのは2016年11月19日の演奏。

さてこの回はデイヴィッド・ジンマンがチューリヒ・トーンハレ管弦楽団と交響曲全集を残しているシューマンづくしです。彼は基本的に手堅いサウンド作り、極端には走らない表現なのに(特にリヒャルト・シュトラウスの録音を聴けばおわかりいただけるかと)、いわゆる古楽※の手法を用いたベートーヴェンでは文字どおりに「聴いたことがない音がする」レコーディングを残し、と作品の時代に応じた表現で楽しませてくれます。
ではシューマンは、といえば録音で聴く限りではよく整理されて生きのいい演奏でしたから、きっとN響とも整ったシューマンが聴かれるのだろうと予想しています。

※鈴木秀美氏の著作「古楽器よ、さらば」でも言及されていますが、別に骨董のように古いものを愛でている音楽ではないのに古楽と称してしまうことにはどうにも妥当できませんで。作曲された時代には最新のものだったり、実験的な楽器のために作曲された作品が今まで生き延びているようなケースも多々あるのですから言葉として内実に合わないよね、というのは常にでも主張したい。オーセンシティをかつて名乗った欧米では、モダン楽器をまがい物扱いすることの怪しさからかoriginal instrumentsとかperiod instrumentsなんて呼称になってきましたが、それだと「モダン楽器で作曲当時の奏法を用いる」ケースには合わないし、なんと呼んだものかとずーっと考えています、ぼんやりと。いい呼称があったらご教示ください。本気でお願いします。

レイフ・オヴェ・アンスネスは年末の「クラシック・ハイライト2016」で同時期のリサイタルでの演奏が放送されていましたが、信頼のおけるピアニストなのできっといい演奏をしてくれているのだろう、と。そういえばシューマンの協奏曲、N響は少し前にカティア・ブニアティシヴィリが演奏してましたよね(思い出しただけで、まったく違う演奏だろうなってことは想像に難くないです。ええ)。

なお、先週に続いて「コンサートプラス」枠で仲道郁代さんが現在のピアノと「作曲された当時のピアノ」でショパンを弾き分けています。昨年聴いたモーツァルトでも感じられた、フォルテピアノのときの仲道郁代さんの雄弁ぶりがなかなか楽しめるものになっているかと。いえ、私があまりピアノという楽器を得意としていないせいもあるんですけど(笑)。

以上簡単ではありますが放送情報でした。ではまた。

※なお、この週はプレミアムシアターの放送はありません(1/9未明にウィーン・フィルのニューイヤーコンサート再放送をした分、プレミアムステージの放送が一週遅れとなった関係です)

※追記
とっても簡単な感想ですが、「アンスネスとジンマンの組合せはいい」という前提で「アンスネスと、モダンとピリオドの仲道の聴き比べも興味深い」という楽しみができると思いました。
N響はアルト・トロンボーンのみ「ジンマン編成」でしたけど、最近いらっしゃらないノリントンさんの代わりにピリオド寄りの演奏をしてくれると嬉しいなと。彼のほうがレパートリーは広いから招聘しやすいのでしょうし。・とはいえデイヴィッド・ジンマンも81歳とか、能う限りでいらしていただければ幸いに思う次第であります。

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