2017年4月7日金曜日

書きました:ミューザ川崎シンフォニーホール&東京交響楽団 名曲全集第125回レヴュー

こんにちは。千葉です。
寄稿した文章のご紹介です。

●作曲家シベリウスの生涯を俯瞰する、オール・シベリウス・プログラム―――ミューザ川崎シンフォニーホール&東京交響楽団 名曲全集第125回

これで本当に東響の昨シーズンが終わった公演です。シベリウスの名曲プロ、といえばこの日の前半、「フィンランディア」からヴァイオリン協奏曲、そして交響曲第二番と相場は決まっておりますが、この日はメインに交響曲第七番が置かれたことで題名の通りのプログラムになりました。もしこれに勝とうと思うなら、「エン・サガ」か「レンミンカイネン組曲」で始めて、「ペレアスとメリザンド」組曲もしくは交響詩のどれか、最後にカンタータもしくは「タピオラ」(尺が余るようなら両方)、そんなプログラムを編むしかありません(何の勝負だろうか)。しかもそのプログラム、果たして「名曲全集」に入れていいのだろうか、と私でも思います(笑)。その点、この日のプログラムは知名度の高い二曲と、比較的知られていない最後の交響曲で一本筋もとおったものになっています。

いえ、「名曲全集」は記事にも書きました通り、125回を数えるシリーズであるからには、もはや”ありがちな名曲”しか演奏しないコンサートシリーズではないのです。たとえば4月18日の新シーズン第一回目には尾高尚忠のフルート小協奏曲(Op.30a)を演奏するし、6月には井上道義の「狂詩曲」づくし、9月には元ベルリン・フィルのバストロンボーン奏者によるケルシェックの新作&ヤナーチェクの「シンフォニエッタ」など、趣向を凝らしたプログラムで新しい名曲を探す旅の如きシリーズとなっています。もちろん、10月のノット監督による変奏曲づくし、11月の秋山和慶によるスポーツづくしなど、見どころの多いプログラムが並んでいます。ホームで聴く東響、この選択肢も如何ですか?ということで、スケジュールやチケットについてなど詳しくはリンク先にてご確認ください。

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この日はシリーズとしての成熟、好調の東響のサウンドもさることながら、ソリストとして登場したチャン・ユジンに感心させられました。ところどころに弱さはありました、でも若手ですしその長所を明確に打ち出せる美点の方を評価したく思います。



さて、新シーズンの東京交響楽団はミューザ川崎シンフォニーホールで例年以上に多くの演奏会を開催します。ぜひ多くの皆さまが、ホームの会場で創られた音を楽しまれますように。

ではまた、ごきげんよう。

 

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