2017年5月31日水曜日

パーヴォ・ヤルヴィ、2019/20シーズンからチューリヒ・トーンハレ管弦楽団のシェフに

こんにちは。千葉です。ニュースです。

●Neue Künstlerische Leitung an der Tonhalle Zürich
Paavo Järvi wird Chefdirigent der Tonhalle

現在リオネル・ブランギエが務めるポストに、パーヴォ・ヤルヴィが就任する、というニュースです。スイスを代表する常設オーケストラ、チューリヒ・トーンハレ管弦楽団の首席指揮者、芸術監督に2019/2020シーズンから着任します。まずは5年契約とのこと。

>オーケストラからのリリースはこちらで:PDFファイルが開きます(ドイツ語)

近年デイヴィッド・ジンマンが数多くのレコーディングでその名を高めたスイス東部のオーケストラは、山田和樹が首席客演指揮者を務めていることでご存じの方も多いでしょう。ドイツ語圏を代表するオーケストラは、若手のブランギエからパーヴォさんへのスイッチを、以前から検討/期待されていたフシがあります>こんな記事を見つけました(最初の記事と同じ、チューリヒ新報昨年12月の記事)。
1986年生まれの俊英からパーヴォさんへのシフトとなると、お若いマエストロには厳しい判定があったのかな…などと余計な心配もしてしまいますが、世界各地のオーケストラと共演している彼なのでこれは杞憂のたぐいでありましょう(N響に客演したときの反応はどうだったっけ、などと思いつつ)。

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パーヴォさんならいろいろな団体から声かかっちゃうよね当然かもね、と思いつつ。私がこのニュースで一番面白く感じたのは「またノット監督とかぶるのかよ!」ということでした。
我らがジョナサン・ノット東京交響楽団音楽監督は、2016年からスイス・ロマンド管弦楽団の首席指揮者も務めています。チューリヒがスイスの東側、ドイツ語圏の代表ならスイス・ロマンド管は西側、フランス語圏の代表と言えましょう(本拠地ジュネーヴは、チューリヒやベルンよりむしろリヨンのほうが近いです←いまグーグルマップで確認した)。
なお肝心の演奏ですが、配信で聴く感じでは力強さと明るさでは向こうが勝るかな、とも思うけれど、東京交響楽団だって監督とのコミュニケーションの密度、サウンドの柔らかさでは勝ってる、気がします。配信と実演とで比べても仕方ないんですけど、いちおうね(笑)。そんな「東京とスイスで活躍するマエストロ」ポジションをパーヴォさんも得る、という風にこのニュースを見てしまったんですよね、私。

イギリスに生まれてフランクフルトからアンサンブル・アンテルコンタンポラン、バンベルクときて現在のポジションにあるノット監督と、エストニアに生まれてアメリカで成長しシンシナティからフランクフルト、パリを経由して現在に至るパーヴォさん。かたやオペラハウスから現在に至り、かたや先日初めてオペラ上演を体験したばかりの生粋のシンフォニー指揮者と、違う経路で指揮者として活躍する二人が、微妙に交錯しながら近いポジションを得るこの感じ、いったいお二人にはどんな縁がございますやら。

なお、このお二人は今年「ドン・ジョヴァンニ」で演目かぶりします、というのは既報のとおりです。いやはや、縁があるんですよやっぱり(笑)。

ということで後半ただのエッセイみたいになりましたがご案内はこのへんで。ではまた、ごきげんよう。

※余談。
最近、サイトウ・キネン・オーケストラやN響、そして今年は読響にも登場するファビオ・ルイージですが、彼もそのキャリアにおいてスイス・ロマンド管弦楽団、チューリヒ歌劇場とスイスのオーケストラ、劇場で活躍しています。そして近年の日本との縁、これは何かのフラグでしょうか?(笑)

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